『 work 』の先にあるものは。

「働く」ことを考える。「働く」ことから考える。

図書館や古本屋は作家を殺してしまうのか?

子供と一緒に図書館にでかけ本を借りた。

帰りがけに大型書店に寄り、1階の本屋で新書を、2階の古本屋で古本を買った。

借りた本も、買った本、いずれも同じ作者の本だ。

 

子供は新しく出会った本を楽しみに読んでいる。

「本」としては楽しみにしている読者に届いたことで役目を果たした。

 

さて「本」を作るには多くの担い手が必要だが、大本は「作家」だ。

「作家」は図書館で借りてもらう事、新書を買ってもらう事、古本屋で買ってもらう事でどんな影響があるのか。

 

 

作家・樋口毅宏氏はこう言っている。

図書館流通センターが買い上げてくれるから、生活できる作家がいるのも事実です。それでも私は図書館に対して、「最新刊を半年は貸し借りを控えてください」と言わずにいられなかった。

(中略)

私にとって、お金を払って読んでくれた人こそ読者です。

 

これはわかりやすいと思う。

作家さんは本を売って生活している。当然、本が売れなければ次回作すら書くことができない。

 

氏は言っているが、図書館が買い取ってくれる一定数の購入数をあてにする作家さんもいる。しかし、図書館に行ってみるとわかるが、新書の貸し出しは普通にあり、予約が何十人と入っていたりする。

 

読みたいと思った読者に対して「新刊をタダで読ませてあげる場所」が存在しては本は売れない。予約をいれた何十人は読み終わった後に新書を改めて購入するだろうか。

 

ならば図書館は作家にとって敵なのか?

そうとは言えない。図書館は作家にとっても必要な場所だ。

さまざまな文献が揃い、1円もとることなく貸してくれる。図書館を利用せずに資料集めができる作家なんぞ限られている。

だからこそ、置かないでほしいとは言わない。新刊の貸し出しを半年待ってくれというのが妥協ライン。

購入意欲をそがないで欲しいというのが氏の意見だ。

 

 

共存共栄が可能な図書館と違い、問題が大きいのが古本屋だ。

規模が小さいうちなら問題も小さかったが、ブックオフのような巨大な古本屋が現れると脅威でしかない。

 

筆者も古本屋で購入することに抵抗がなかった。

読まなければ面白いかわからない作家や作品を安く買って読めることに魅力を感じていた。

古本がきっかけになってファンになった作家も多い。

 

昔ながらの古本屋は確かに古本だったw

背表紙は色あせ、ページのふちは傷んでいる。

読み込まれた文庫は、内容はともかく、価値を見出しにくい。

それを古本という形で流通に乗せるのだから「本」としては素晴らしいことだとさえ思っていた。

 

しかしブックオフは違った。

古本といえども新刊と遜色ないほどの状態で売られている。それが新書よりも安く買えるとしたらどうだろう。

悲しいかな、安く売られているならばそちらを買うだろう。

古本でファンになった「作家」の本を、また古本屋で買うことになる。

それがファンになった「作家」を殺すことになるとは思わずに。

古本での売買では作家に1円も入らないからだ。

 

 

とはいえ読みたい本はたくさんある。

お金は有限だ。スペースも時間も有限だ。

お金がある人、余裕がある人は新刊を購入してください。

そうでない人は図書館を利用してください。

古本屋利用はできるだけ我慢するって方針しかないかと。

(もしくは古本屋が作家に購入された一部をバックできると共存共栄可能なんだが)

 

本が読めなくなるなんて考えただけでも恐ろしい。